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(2023.3.27)
Q 米国のアイダホ州で『mRNAワクチン禁止令』?

米国のアイダホ州で、2023年2月15日、2人の共和党議員がある法案を提出しました。内容は、「メッセンジャーRNAを利用したワクチンをいっさい禁止し、今後、接種に関わる医師、関係者は処罰する」というものです(文献1)。法案中にファイザー社とモデルナ社の名前はありませんが、委員会の主旨説明では、2社を名指ししていたとのことです(文献2)。

   

理由は、「あまりに臨床試験の期間が短すぎて、安全性の証明がなされていないから」というものでした。同州の知事も、この法案に賛成していると報じられています。

2023年3月末の時点で、法案はまだ可決していませんが、各方面から反発の声が上がっています。たとえば同州のコロナワクチン専門家会議で委員長を勤める医師は、専門誌のインタビューに、「私は30年、医者をやっているが、こんな悪意に満ちた話は聞いたことがない」と語っていました。

また別の医師は、「法案を出す前に、専門家の意見を聞いてほしかった」、「アイダホ州でのワクチン接種率が全米で最低に近いのは、デマ、フェイクニュースに騙されいている人が多いからだ」、「州の議員が、mRNAワクチンにはエビデンスがないと言っているが、それはウソだ」などど、強い口調で非難しています。

法律の専門家も懸念を表明しています。「もし、この法律が成立すると、ワクチンを接種した医師は有罪となり、医師免許を失うことになりかねない」というのです。さらに、法案の内容は1頁に満たないもので、拡大解釈されると、たとえば将来、同州内で臨床研究さえできなくなってしまうのではないか、としています。

この記事を掲載した専門誌は、「mRNAタイプのワクチンについては30年に及ぶ研究の歴史がある。2008年には、15人のがん患者を対象にした臨床研究が行われ、効果と安全性が証明されている」とコメントしています。

しかし事実はいささか異なっています。この技術については、35年以上も前から数百人に及ぶ技術者たちが、それぞれ独自に開発を行ってきており、中には、ヒトの体に重大な損傷を与えることがわかったとして、研究を中止した人もいました(文献3)。少なくとも、効果と安全性を証明できる臨床試験が行われていなかったのは確かです。

いずれにしても、米国は各州の権限が強く、たとえ国家が認めたワクチンであっても、アイダホ州で禁止する法律が成立する可能性は高いようです。

実は、この話には伏線がありました。遡ること1年ほど前、この州で「企業が従業員に対して、ワクチン接種を強要することを禁止する法律」が制定されていたのです(文献4)。ワクチンを打っていない人を法律で守るのが目的でした。

日本でも、一部の地方自治体で、何人かの議員が立ち上がったとのネットニュースがあります。各地方で議員に働きかけを行い、互いに連携し合うことができれば、大きな力になっていくのではないでしょうか。

【参考文献】
1) Suran M, Physicians say an Idaho House bill that would criminalize administering mRNA vaccines is an attack on the medical profession - even if it does't become law. JAMA, Mar 15, 2023.
2) Nguyen T, Idaho bill would criminalize giving mRNA vaccines - the tech used in popular COVID vaccines. USA TODAY, Feb 22, 2023.
3) Dolgin E, The tangled history of mRNA vaccines. Nature, Sep 14, 2021.
4) Medina E, The Idaho legislature passes a bill that seeks to protect the unvaccinated. New York Times, Mar 28, 2022.






(2023.3.20)
Q 討論: ワクチン問題はどう決着させればよいのか? -総括-

このテーマで多数のご意見をいただきましたので、そられを踏まえ、ポイントを絞ってまとめてみました。

1 賛成派と反対派で公開討論をしてほしいとのご提案
 水掛け論になるだけではないか、とのご意見が複数ありました。また、3月15日に開催された『新型コロナワクチンを議論する議員有志の会』のライブ中継でも、わかったことがあります。ワクチンを推進している中心的な専門家に対して、この会から事前に具体的な質問を厚労省経由で送っていましたが、討論会当日になっても回答がなかったことです。つまり推進派は対話を拒否しているのです。

2 ワクチンを接種しなかった有名人に語ってもらいたいとのご提案
 すでに、この問題で発言をしたばかりに、テレビ業界からほされてしまった、とされる有名人の話題が週刊誌やネットにときどき載っています。簡単ではなさそうです。

3 署名活動をしてほしいとのご提案
 「どこかに提出して、それで終わりになるだけではないか」との意見が複数ありました。地方自治体であれば、一定数の署名で議員や首長の解任を求めたりすることができます。しかし国が相手の場合、そのような制度はありません。これまで署名活動が功を奏したのは、せいぜい自然景観の保護など、国と一般市民の利益が一致し、かつ政権の意地に抵触しないものに限られてきたような気もします。

4 被害者たち全員が厚労省に補償を求めるべきとのご意見
 この点は、まさに『議員有志の会』に期待するところです。最終的には集団訴訟に持ち込まないと、埒はあかないのかもしれません。

5 ファイザー社との密約を国会議員に暴いてほしいのご意見
 ぜひ、そうしてほしいものですが、米国の政府と法律が絡んでいるため、ほぼ絶望的です。

6 長期の副作用を検証するため接種手帳を全員に持たせるとのご提案
 グッドアイデアですが、ワクチンパスポートとして悪用される可能性もありました。

7 全国の地方自治体に相談窓口を作ってもらうとのご提案
 もっとも実効性があり、世論喚起にもなりそうです。全国各地で、それぞれ声をあげていくしかありません。地元選出の国会議員に陳情するとのご提案もありました。合わせて、各地域での行動に期待したいところです。

8 中国製やインド製の不活化ワクチンに切り替えるとのご提案
 どちらも「有毒な」トゲトゲ蛋白が含まれていますから、危険性はmRNAタイプのワクチンと大同小異です。

以上、主だったご提案をまとめてみました。今後の最重要課題は3つです。第1は因果関係を証明する検査法を開発すること、第2は、被害者集団訴訟を起こすこと、そして第3が有志国会議員にご理解いただき行動してもらうことです。どれも皆で頑張れば手が届きそうです。

「沈黙は人を見殺しにする」、「風化させない」・・・、それぞれの立場で、それぞれ出来ることから始めるしかありません。

【脚注】
新型コロナワクチンを議論する議員有志の会について
 3月15日に開催された同会主催の公開討論会の直前、私も参加を依頼されました。飛び入りのため、講義をする機会はありませんでしたが、参加した印象について報告させていただきます。会議室内には議員4名、専門家4名、厚生労働省関係5名、関係者数名、事務局数名、それに中継担当2名がいました。当日の記録は、ニコニコ動画(ここをクリック)で閲覧することができます。






(2023.3.20)
Q 超過死亡にご注意?

最近、「超過死亡」に関する研究報告が多くなり(参考文献1)、当ホームページあてにも多くの情報が寄せられています。超過死亡とは、いったい何のことでしょうか?

まず当ホームページQ0(2)で示したデータも交え、この言葉の正しい解釈を改めてまとめておくことにします。簡単に言えば、前年、あるいは過去何年かと比べて、最近一年間の死亡数が増えたかどうかを表す値です。もし増えていればプラスで、減っていればマイナスでそれぞれ提示されます。

しかし実際には、やっかいな事情がいろいろあって、単純な引き算で求めるわけにはいきません。理由の第一は、年月とともに高齢者の割合が高まっていくため、死亡の絶対数が増えてきていることです。逆に総人口が減少していたり、自然災害や戦禍で一時的に死者数が増えたりした国もあるでしょう。

その誤差をなくすため、数年から10年くらい前の死亡統計をもとに数学的な予測式をたて、最近1年間の値を予測する、という方法がとられています。ただし予測式にもさまざまな理論があって、精度も異なります。完璧なものはなく、株価予測や天気予報のように大外れすることもあります。

2021年1~10月の間(ワクチン接種が始まったころ)、国内における死亡者の実数は確かに増えていました。しかし、国立感染症研究所が、もっとも信頼できる予測式を用いて都道府県別の試算を行ったところ、千葉県など一部の地域を除いて「統計学的に死亡数が増えているとは言えない」との結論になりました。つまり、コロナ禍に起因した超過死亡は認められなかったのです。

やはり気になるのは、ワクチンのせいで死亡数が増えていなかったのか、ということです。しかし、当ホームページで繰り返し述べてきたとおり、死亡がコロナ感染のせいなのか、ワクチンの副作用なのか、あるいはどちらでもないのか・・・、その判定はほとんど不可能なのです。行政のさじ加減によっても、まったく違った数値になります。たとえば日本では、真の死亡原因とは無関係に、とにかくPCR陽性だった人は「コロナ死」にされてしまっていました。

2022年の春、多国籍研究者チームが全世界の超過死亡を国別に発表しました(参考文献2)。ところが、この研究に対して、データ集計の仕方が間違っているとの抗議文が掲載誌に殺到するという騒ぎに発展したのです。

反論の主旨はさまざまですが、たとえば英国の研究者は一例として日本のデータを取り上げ、超過死亡を求める難しさを指摘していました(参考文献3)。つまり日本の超過死亡数を、3つのグループが独自に予測しているのですが、その値は以下のようにバラバラだったというのです。

 多国籍研究者チーム→   111,000人/年
 英国紙エコノミスト→    12,000人/年
 世界死亡データベース→  -13,100人/年 (減少を示している、脚注参照)

つまり「超過死亡」を正しく求める方法は存在せず、これをもってワクチン被害を科学的に実証することはできない、というのが冷静な結論となります。

【参考文献】
1) Donzelli A, et al., All-cause mortality according to COVID-19 vaccination status: an analysis of the UK office for national statistics public data. Creative Commons,, Feb 24, 2023.
2) COVID-19 Excess Mortality Collaborations, Estimating excess mortality due to the COVID-19 pandemic: a systematic analysis of COVID-19-related mortality, 2020-21. Lancet, Apr 16, 2022.
3) Scholey J, et al., Conflicting COVID-19 excess mortality estimates. Lancet, Feb 11, 2023. ほか多数

【脚注】
 「世界死亡データベース」とは、最近、注目を集めているサイトで、The World Mortality Datasetと呼ばれているもの。2人の研究者が運用しており、信頼度が高いと言われている。








(2023.3.13)
Q 討論:ワクチン問題はどう決着させればよいのか? ―反響―

前回までにお寄せいただいたご意見に対し、以下のよう反響がありました。

<AIの回答について>
・ AIは、入力された過去データをまとめる能力しかなく、あてにならない

<世論喚起について>
・ 自分の周囲では、ほとんどが接種済みであるにもかかわらず、副作用で
  悩んでいるようには見えない。発生率について、もっと正確な値が必要
・「ワクチン反対」を掲げていても違和感を感ずる声が少なくない。もっと
  理解を深めてほしい
・ 「自分は打たなかった」と発言している著名人に声かけをしてほしい
・ 公開討論は、水掛け論になりがち
・ 署名活動は、どこかへ提出して終わりになってしまうのではないか
・ 誰でもわかるように、アニメなどでワクチンの害を訴えられないか
・ 地元選挙区の議員に陳情する
・ 激しくやり過ぎて社会生活に悪影響が出ることがないよう に

<国への抗議について>
・ ファイザー社と国との「密約」を心ある国会議員に追及してほしい
・ 猶予がならず、一刻も早く救済制度を作らせるべき
・ 厚労省や内閣官房にみんなでメールを出す

<エビデンスについて>
・ 接種回数別、体重別、メーカー別に感染者数や死因をまとめ、日本人に
  固有の問題点を探ってほしい
・ 国別の超過死亡数をあきらかにしてほしい
・ 死亡データから、接種をしてはいけない疾患(高血圧、糖尿病、肥満など)を
  はっきりしてほしい
・ 長期にわたり健康被害が出る可能性あり、接種手帳を皆に持たせる

<その他>
・ 会社などで孤独な戦いを強いられてきたが、皆さまの意見を読んで励まされた


次回、最終まとめを行いますので、さらなるご意見をお寄せください。






(2023.3.13)
Q 子供のワクチン接種をなぜ勧めるのか?

 小児に新型コロナワクチン接種を勧める大学教授がいるが・・・、との問い合わせやクレームが当ホームページあてにたくさん届いています。有効率75パーセントと主張しているのですが、その根拠とされる資料が国の審議会で配布され、以下のサイトで公開されました。

 『第44回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 資料3』

その最後のページに記されているデータを、わかりやすく編集し以下に再現してみました。対象は5~15歳の小児となっています。

  


さて、この資料には不可解な点がたくさんあります。まず、次のような補足説明がなされていることです。
  5~11歳は、14,297人中、2回接種済みが 3,161人 (
22.1%
 12~15歳は、 4,398人中、2回接種済みが 2,975人 (
67.6%

2つのグループは、それぞれ接種の割合が著しく異なっており、まったく異質の集団です。たとえば5~11歳のグループで、入院したのがすべて「接種した小児」だったかもしれません。それにもかかわらず、なぜ2つの異なるグループを一緒にしたのか理解に苦しむところです。以下の表は、そんな状況を例示したものです。
_____________________________
            5~11歳       12~15歳
         ーーーーーーーーー  ---------
         接種あり 接種なし  接種あり 接種なし
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 入院した      
8人  0人     0人   64人
 入院しなかった   ?    ?      ?    ?
_____________________________

次に、資料の最後から2ページ目には、2つの年齢グループの接種率がそれぞれ31%と76%と記されていて、前述した緑色の数字と合っていません。また同ページの最下段に、論文を投稿した専門誌名が記されていますが、スペルが間違っており、しかも「印刷中」となったまま未だに掲載されていません。

さらに、日本では「小児が感染すると重症化しやすい」とテレビなどで繰り返し報じられてきましたから、「必要がないにもかかわらず、単なる恐怖心から入院させられた小児」も多かった可能性があります。そうだとすれば、入院=重症とは言えないことになります。

そして、なにより問題なのは、世の中をだまし続けてきた「後ろ向き調査」(Q7(6)参照)で得られたデータでしかなかったことです。

国の方針とは、こんな杜撰な資料によって(これまでも)決められてきたのかもしれません。ご意見をお寄せください。


【脚注】
 「有効率95パーセント」を報じたファイザー社の論文で行われていた計算法(Q(7)参照)
  ワクチン接種ありで感染した人    8人
  ワクチン接種なしで感染した人   162人
 →
  接種しても感染してしまった人の割合: 8÷162≒0.05
  接種して感染を予防できた人の割合: (1-0.05)×100=95(%)






(2023.3.6)
Q 討論: ワクチン問題はどう決着させればよいのか?

 この問題についてご意見を募集したところ、25通のお便りが届きました。以下、私見を排してポイントをまとめました。これらのご提案に対するご意見を、改めてお寄せください。

まず、「人工知能の技術で情報検索できる新しいサイト」として急に有名になった「チャットGPT」に聞いてみたという、興味深いお便りから紹介します。英語で返ってきた回答をグーグル翻訳で日本語にしたら、次のようになっていたそうです。



チャットGPTに聞いてみたというお便りがもう1通ありましたが、AIの答えは相矛盾したもので、世の中の混乱ぶりも窺えます。

以下、ご提案を箇条書きでまとめました。複数のご意見をお寄せくださった方も多く、それぞれ個別に挙げてあります。政治家などの個人名は省略し、またわかりやすさを優先して若干の言葉の置換えをしました。

<世論喚起に関するご提案>
・ 子供と高齢者の人権が無視された
・ ワクチンに反対するグループがばらばらに行動しないよう、呼びかけてほしい
・ 賛成、反対の研究者たちが公開の場で討論してほしい
・ 反対意見を表明し、名が知られている人たちに連携してほしい(ご意見多数)
・ 有名人を巻き込んでテレビ討論をしてほしい
・ 署名活動をしてほしい
・ いわゆる『反ワクチン団体』と混同されない工夫が必要
・ 反対している人たちが社会から排除されないようにしてほしい
・ 死亡した人の遺族、健康を害した人の苦悩や真実を知った人の怒りを公表する
・ 副作用で本当に苦しんでいる人たちには、権力と闘う気力も体力も残ってない

<国への抗議>
・ 厚生労働省に副作用例、死亡例の全員救済を求めてほしい
・ 製薬企業との契約文章を公開させる
・ 少なくとも2価ワクチンは中止すべきだったのに、なぜ日本だけが・・・
・ モデルナの工場が福島県南相馬市にできるなど、話がどんどん進んでいる
  しかし「投資家対国家間の紛争解決条項(ISDS)」により、これを妨害すると
  日本が海外企業から訴えられる仕組みが出来上がっている
・ 権力を持っている方々には、誤りを認め、被害者に手を差し伸べる優しさを
・ 世界でもっとも接種を行った国として、今こそ「禁止」を世界に訴えるべき

<学会に対する怒り>
・ さまざまな医学会の態度が無責任で、なんとかしてほしい
・ 小児の接種を勧めている大学教授がいるが、どういうことなのか

<具体策>
・ ワクチン接種後の体調不良外来を多く作ってほしい
・ ワクチン接種後の体調不良には、鍼灸がよいのではないか
・ 治療のガイドラインを作ってほしい
・ 接種後、日常生活で気をつけるべきことを明示してほしい
・ 接種後、定期的に検査すべきものがあれば、まとめてほしい
・ 接種後、いつまで副作用が起こるのか、はっきりして(ご意見複数)
・ 接種後、1年以上過ぎてからの遅発性症状にも注目すべき
・ 地方によっては副作用の相談窓口を設置している、これを全国に広げる
・ 権力や企業、御用学者の影響を受けない一般市民向けのサイトを作る
・ 中国やインドの不活化ワクチンに替えてはどうか

<エビデンスが必要>
・ 世界各国での対策について、それぞれ効果があったのか検証してほしい
・ 死亡原因を明確にできる検査法がほしい(ご意見複数)
・ 接種を受けなくとも健康でいられた人たちの実数や背景をまとめてはどうか
・ 接種後、身内や知人が亡くなったり、がんが悪化したりしている。がんとの
  関係を追跡調査してほしい(ご意見多数)
・ 心不全について知りたい

<裁判>
・ 誰が利益を得て、誰が損したのか、はっきりさせたい
・ 接種を推進した医師、役人、政治家の責任追及が必要(ご意見多数)
・ ゴーツートラベルなどで使われた「接種証明」で差別と金銭的損害を受けた
・ 集団訴訟に備えて、専門家の協力体制が必要

<海外事情>
・ スイスでは、ウクライナのニュースばかりで、コロナは過去のものとなっている
・ ドイツでは、体調不良を訴える人が増え、薬局店主が「儲かって仕方ない」と


              *****

怒り」・・・、多くのご意見の中で、陰に陽に語られている感情をひと言で表せば、この言葉になりそうです。これらのご意見に対する感想を、改めてメールでお寄せください。次週と次々週、ホームページ上で討論を行います。


            -【ご意見募集】ー

   テーマ:
    3月4日までに寄せられたご意見に対する感想、提案、反論など
   締め切り:
    3月11日(土)








(2023.2.27)
Q 論争: ワクチンはウイルスの変異を加速したか?

 およそ2年前の2021年2月19日、『新型コロナワクチンの仕組みと問題点』と題した動画を公開し、その中で「ワクチンが新型コロナウイルスの過激な変異をもたらしている」と述べました。ウイルス変異の仕組みを考えれば、当然とも言える帰結だったからです。しかし、その後ずっと、この考え方を支持する研究者は現れませんでした。

やっと2023年1月になり、米国の2つの有名な新聞がこの問題を取り上げてくれました。ところが両者、真っ向から対決するようなタイトルを掲げていたのです。最初に仕掛けたのは、ウオールストリートジャーナル紙でした(文献1)。全米最大の発行部数を誇る、保守系に近い経済新聞です。

記事のタイトルは『ワクチンはコロナウイルスの変異を加速しているか?』。疑問形をとっていますが、内容は、繰り返しのワクチン接種がウイルスの変異を加速していると断定したものでした。主張の根拠は以下のとおりです。

 (a) ワクチン接種が進むにつれ、短時間で激しく変異を繰り返すようになった
 (b) ワクチン接種が進んでいる世界各地で同時多発的に、かつ独立に起っている
 (c) それにもかかわらず各地で同じ変異が生じている

このように早い速度で変異が進むのは、通常、ありえないとの専門家のコメント(文献2)も引用しています。記事の内容は多岐にわたります。ある最新論文(文献3)が、新しい2価ワクチンを打っても、変異株のBA.5やXBBに対して中和抗体がほとんど効いていないとのデータを提示しておきながら、「ワクチンの追加接種はやはり有効」との言葉で締めくくっているのは茶番でしかない、というのです。

別の最新論文(文献4)に対しても痛烈です。ワクチンを打てば打つほど新規感染者が増えているとの重要なデータを発表しておきながら、やはり「ワクチンは有効」との言葉で締めくくっていると批判した上で、こんな世論を醸成したバイデン政権の愚かな政策は、アメリカ国民を危険にさらすだけ。専門家と称する人たちはいったい何を考えているのか、と。

どれも、当ホームページがずっと前から述べてきたことなのですが・・・

その5日後、この新聞記事に「待った!」がかかりました。かけたのはワシントンポスト紙です(文献5)。格式の高さでは前紙に引けを取りません。

記事のタイトルは『ノー! ワクチンが状況を悪くしてるわけではない』です。主張は、こうです。一番新しいオミクロンXBB株は、2種類の変異株に同時に感染した人の体内で、ウイルスどうしの遺伝子組み換えが起こって生まれたものであり、ワクチンのせいではないというのです。

この新聞記事が言いたかったのは、「ワクチン接種でウイルスが狂暴化するとの主張は間違いだ」ということらしいのですが、前述の新聞記事にそのような記述はなく、勘違いもあるようです。さらに、ワクチンを打つと感染しやすくなるとの見解はありえないとし、論文の著者にインタビューを申し込んだが返事もない、とまるでけんか腰です。要するに、ワクチンはこれからも有効だと言いたいのです。

記事中、ある専門家のこんな意見も紹介しています。「100メートル走のオリンピック選手をイメージしてください。ほとんどの選手は100分の1秒を競ってきたが、ウサイン・ボルト選手は、あっという間に大幅な記録更新をした。XBBはボルト選手のようなもの」・・・、これでは説明になっていません。

当ホームページのQ8で述べたように、新型コロナウイルスは自身の遺伝コードを自動的に修正する仕組みがありません。そのため、ヒトの細胞内で自身の複製を造る際、一定の確率で遺伝コードの転記ミスが絶えず起こっています。ただし、そのほとんどはウイルスにとっても、また人間にとっても何ら影響がなく無害なものです。

しかし、ごくまれに、中和抗体が効かなくなり、ウイルスがヒトの細胞内にやすやすと侵入できるようなミス(変異)が生じることがあります。人間にとっては困った事態ですが、ウイルスには好都合です。なぜなら、ワクチンに負けない新しい仲間を増やすチャンスとなるからです。

この当たり前のことを、遅まきながらも大新聞のひとつが認めた、という出来事でした。

【参考文献】
1) Finley A, Are vaccines fueling new Covid variants? Wall Street Journal, Jan 1, 2023.
2) Cao Y, et al., Imprinted SARS-CoV-2 humoral immunity induces convergent Omicron RBD evolution. Nature, Feb 16, 2023.
3) Davis-Gardner ME, et al., Neutralization against BA.2.75.2, BQ.1.1, and XBB from mRNA bivalent booster. N Engl J Med, Feb 19, 2023.
4) Shrestha NK, et al., Effectiveness of the coronavirus disease 2019 (COVID-19) bivalent vaccine. medRxiv, Dec 10, 2022.
5) Flam F, No, vaccines aren't making new Covid variants worse. Washington Post, Jan 6, 2023.


 -【ご意見募集中】ー
 (活動を始めているグループがあれば、状況なども合わせてお願いします)

テーマ:
 新型コロナワクチンの諸問題について、いま何をすべきか、どうしてほしいか?

締め切り:
 期日はとくに設けませんが、2月末日締めで第1回目の中間まとめを行います







(2023.2.20)
Q ワクチン問題はどう決着させればよいのか?

 全国各地で、市民団体、医師や看護師のグループ、生物系の研究者、あるいは医療系の大学生などが、それぞれに集い、それぞれの立場で新型コロナワクチンにまつわる諸問題を考え始めています。講演会を開催したり、署名活動を始めたりしているグループも出てきました。

時を同じくして、これまで拒絶的な態度を取り続けてきた週刊誌のいくつかが、手のひらを返したように、「ワクチンはこんなに危険だった!!」などのタイトルで、記事を掲載するようになりました。また、ワクチンを推進してきた某政治家が駅前で演説していたら、聴衆に「謝罪しろ」と詰め寄られた、とのネットニュースもありました。

背景には、新型コロナウイルスが弱毒化したことに加え、非常に多くの人がすでに感染してしまい、未知なるものへの恐れが薄らいできたこと、さらにはワクチンに対する信頼がなんとなく揺らいできたこと、など社会状況の変化があります。

その一方、医療関係者が「5回目打ちました」などと、誇らしげに語っている声を聞くにつけ、愕然としてしまうのです。専門家と称する人たちが何を考えているのか理解できない、とのご意見も当ホームページに届いています。

私の懸念は、コロナ禍に対する人々の関心が徐々に薄らいでいき、ワクチンを取り巻く諸問題について総括も反省もないまま、忘れ去られてしまうのではないか、ということです。「風化させてはならない」とは、さまざまな悲劇のあとに語られる定番のセリフですが、まさにそれです。

ある専門家が、新型コロナワクチンに関する資料の情報公開を求めて裁判を起こしたそうです。記者会見の様子を記録した動画がネット上を流れ、当ホームページ宛にも「見てほしい」、「取り上げてほしい」との情報提供を多数いただきました。動画を見る限り、大手新聞社の記者たちが出席していたようですが、ニュースとして取り上げられることはいっさいありませんでした。

世論を変えるのは、なかなか大変です。だからと言って、膨大な証拠が出そろったいま、真実を知った人たちが黙っていてよいわけもありません。ノーベル平和賞を受賞したNGO『国境なき医師団』は、「言葉だけで人は救えない。しかし沈黙は人を見殺しにする」と述べています。

真実に気づいた人たちが、これから何をすればよいのか、何ができるのかを考えるべき時がきています。草の根で活動を始めた多くの人たちの誠意が、ばらばらのまま終わることのないようにしなければなりません。

そこで、このテーマについて、まず当ホームページ上で議論を展開したいと考えました。皆さまのご意見をぜひメールでお寄せください。当ホームページは、海外在住のたくさんの方々にもご覧いただいています。各国の現状なども、ぜひお知らせください。いただいたご意見は、プライバシーに触れないよう集約した上で、ここに掲載する予定です。


    -ご意見の募集要綱-
テーマ:
 新型コロナワクチンの諸問題について、いま何をすべきか、どうしてほしいか?

締め切り:
 期日はとくに設けませんが、2月末日締めで第1回目の中間まとめを行います


【脚注】
・国境なき医師団の言葉: 原文は次のとおりです。
 We are not sure that words can always save lives, but we know that silence can certainly kill.
・当ホームページの方針:
 いたずら投稿や誹謗中傷を避けるため、あえてメールのみで意見交換をさせていただいています。






(2023.2.13)
Q18 繰り返しのワクチン接種が免疫機能を破壊する?

 第8回 まとめ


『繰り返しのワクチン接種が免疫機能を破壊する?』と題して、7回にわたり最新情報をお伝えしてきました。物語風と前置きした割には、ややこしい話もありました。現時点で判明している確かな情報は、ほぼ網羅しましたので、本シリーズは一旦、終了とし、まとめをしておくことにします。

まず、わかったのは、人工のメッセンジャーRNA(mRNA)の構造自体が有害だったことです(第2回)。人為的に造ったmRNAには遺伝コードの危険な偏り(G4構造)が生じていたのです。開発に当たった技術者にとっても想定外だったはずです。

この偏りが何を意味しているかと言えば、本来はひも状であるべきmRNAに捻じれを生じさせ、遺伝コードの読み取り開始点を間違ってしまうということです。そのため想定外の、ときには危険かもしれないたんぱく質が、ヒトの細胞内で造られてしまう可能性が出てきました。たとえば、「がん遺伝子」を刺激するようなたんぱく質、あるいは致死的な脳疾患「プリオン病」を起こすたんぱく質などができるのではないか、と懸念を表明する研究者もいます。

mRNAを包む膜にも、強い毒性のあることがわかりました(第4回)。脂質微粒子と呼ばれる膜は、さまざまな物質で造られていますが、そのうち「プラスの電気を持つ脂質」が、ときにヒトを殺傷するほどの毒性を持っていたのです。ワクチン接種直後に血を吐いて死亡するなど、急性毒物中毒による激しい症状を呈する可能性があります。アナフィラキシーとはあきらかに異なるものです。

そして、やはり危険なのはトゲトゲ蛋白です。ワクチンによって体内で合成されるトゲトゲ蛋白の危険性については、すでに繰り返し述べてきたところですが、新たなリスクも判明しました。

免疫細胞が余計な抗体を造り出さないよう、ブレーキをかける役目を担った構造物が各細胞の表面にあります。糖鎖と呼ばれる物質で、先端に、強いマイナスの電気を帯びた分子がついています。トゲトゲ蛋白は、これを切断してしまうのです(第6回)。すると糖鎖は調整役を果たすことができなくなり、余計な抗体が、どんどんできてしまうようになります。そのために起こっているのが、自己免疫病などではないかと考えられるのです。

このように、免疫機能を破壊するリスクがいろいろ存在することがあきらかになりました。その結果、生ずる重大問題のひとつが、「インターフェロンが働かなくなってしまう」ということです(第1回)。この物質は、ウイルスと戦うために体内に存在する大切な物質であり、ウイルス肝炎などの治療薬としても使われてきたものです。

ウイルスなどの外敵に遭遇したとき、免疫細胞はさまざまな抗体を造り出しますが、ほとんどは感染予防に役立たないものです。「役立つ抗体」は、ウイルスの危険な部位をピンポイントで中和してくれるようなものに限られます。

問題は役に立たないほうの抗体です。中には自分自身の細胞を攻撃したりするようなものもあるかもしれません。そんなことにならないよう、役に立つ中和抗体を造る免疫細胞だけが生き残り、それ以外、つまり「少しだけ形の異なる抗原に対する抗体」を造る免疫細胞は破壊されてしまう仕組みがあることがわかりました。

これは本来、主役となる抗体だけを精製するための仕組みです。しかし、ときにそれが裏目に出て、ワクチン接種をしたあと、少しだけ形の異なるウイルス(変異株)に感染すると、抗体を造ることができなくなってしまうのです(第3回)。この仕組みは、当ホームページで「敗者は抹殺せよ理論」と名づけました。「抗原原罪説」と呼ぶ研究者もいます。

私自身の経験でも、ワクチン接種を繰り返し受けた人ほど、実際に感染すると症状が重くなる傾向があると感じています。

似たような現象は、動物実験でも確認されました(第7回)。ワクチンを繰り返し打っていくと、しだいに免疫細胞にブレーキがかかり、殺し屋細胞(キラーT 細胞)などが活力を失ったり、過去の免疫を記憶している細胞が減少したりしてしまうのです。当ホームページで「オーバーワクチン症候群」と名づけた現象です。

(感染予防や重症化予防に大切なのは、抗体ではなく(Q7(8))、殺し屋細胞(Q9(4))を中心とする免疫機能の全体であることをお忘れなく)

免疫機能が破たんすると、発がんの心配も出てきます。がん化の原因のひとつは、分裂の際に生じるDNAのコピーミスです。人間の細胞には、それを自動的に修復する酵素があるのですが、トゲトゲ蛋白がこの酵素の働きを止めてしまうという事実も判明しました(第5回)。

ワクチンと発がんとのかかわりを示すデータはほかにも、いろいろ発表されています。しかし、がんなどの悪性腫瘍は、潜伏期が長く、検診で見つかるようになるまで数年から10年以上かかるものです。そのため因果関係の証明が難しく、長い年月をかけた追跡調査が必要になります。

以上が、現時点でわかっていることのすべてです。
人間の体はあまりに複雑で、個人差も大きく、ワクチンによって免疫機能が破壊されたかどうかを証明するのは簡単でありません。ドイツの病理学者が、接種後に亡くなった18人を解剖し、丹念に調べた結果を報告していますが、ワクチンとの因果関係を示す決定的な証拠は得られなかったとのことです(Q1(7)参照)。

少なくとも一連のデータが示しているのは、ワクチン接種を繰り返すほどに健康へのリスクが高まっていくだろうということです。

すでにワクチンを打った人は、最後の接種から3ヵ月以上経って体調に異常がなければ、取りあえず難を逃れたと考えてよいでしょう。しかし、さらに打ち続けるのは危険です。

【訂正】
前回(第7回)の記事中、「中和抗体」は誤りで、正しくは「抗体」。





(2023.2.6)
Q 繰り返しのワクチン接種が免疫機能を破壊する?

 第7回 オーバーワクチン症候群


オミクロン株は、いまや感染力がどんどん高まり、それと同時に弱毒化もするという方向へと変異がシフトし、やがて消えていきそうな気配です。過去、感染症の多くは、このような経過をたどって終息してきました。

一方、肝炎を起こすウイルスのように、一度、感染すると、ずっと体内に残るものもあります。肝炎について行われた最近の研究によれば、同じウイルスの攻撃を繰り返し受けていると、やがて「異物を異物として認識する免疫力」がしだいに疲弊し、反応しなくなっていくことがわかりました(1)。

新型コロナワクチンを繰り返し打った場合、免疫システムが反応しなくなるだけでなく、ブレーキさえかかってしまうことが動物実験であきらかになりました(2)。その実験では、まず数匹のマウスにワクチンを4回打ち、その後、2つのグループに分けて、一方は追加接種を行わず、他方には接種を繰り返していきました。

両グループのマウスに対して、同じタイミングで血液成分を調べていったところ、5回以上の追加接種をしていくと、以下のような変化が起こることがわかりました。

 ・
T細胞(B細胞に抗体を作らせたり、感染細胞を殺傷したりする)が活力を失う
 ・
PD-1(T細胞を疲弊させる物質)が増加する
 ・
インターフェロン(第1回で神様の贈り物と紹介)が低下する
 ・
メモリーB細胞とメモリーT細胞(過去の感染歴を記憶している)が減る

わかりやすいのは抗体の変化です。以下は、その実験データを示したグラフです(論文のデータをもとに私が作図)。横軸は時間の経過で、ワクチンを打ったタイミング(0、1、・・・、6回目)に合わせてあります。5回目以降、接種直後から抗体の産生が抑制され、低下していることがわかります。

  

これら一連の変化は、ワクチン接種を繰り返していくと、感染が起こりやすく、かつ感染すると重症化しやすくなることを意味しています。論文を発表した研究者たちは、ワクチン接種を繰り返したあと感染してしまうと、免疫機能にいっそうブレーキがかかり危険だと述べています。

ただし、このデータはあくまで動物で得られたものであり、接種間隔も極端に短くなっています。もし間隔を現実に合わせて3ヵ月以上にしてしまうと、抗体が自然減少する割合に大きな個体差が生じてしまい、ブレーキのかかり具合が見えなくなってしまうでしょう。この研究者たちの巧みな発想による実験だったのです。

したがって同じことがヒトでも起こるかどうかはわかりませんが、私の経験で言えば、ワクチンを3~4回目以上接種したあとに感染した人は、症状が重くなる傾向が確かにあります。

お母さんのお腹にいる赤ちゃんは、母体にとって異物でありながら、なぜ免疫システムによって排除されないのか、その仕組みがわかってきました(3)。胎児と母体の間には、両者を隔てる膜があり、その表面に生えている糖鎖(第6回で紹介)が、胎児を異物として認させない役割を果たしている、というのです。

新型コロナワクチンの場合も糖鎖が関わっていて、ブレーキをかける方向に働いているようなのですが、詳細はまだわかっていません。

ワクチンを繰り返し打つことで起こる「一連の困った出来事」を、当ホームページでは
「オーバーワクチン症候群」と命名することにします。今後、ワクチン問題を考える上で重要なキーワードとなりますので、ぜひご記憶ください。

【参考文献】
1) Gao F-X, et al., Extended SARS-CoV-2 RBD booster vaccination induces humoral and cellular immune tolerance in mice. iScience, Dec 22, 2022.
2) Han Q, et al., Reversal of hepatitis B virus-induced systemic immune tolerance by intrinsic innate immune stimulation. J Gastroenterol, 28: 132-137, 2013.
3) Rizzuto G, et al., Establishment of fetomaternal tolerance through glycan-mediated B cell suppression. Nature, Oct 25, 2022.





(2023.1.30)
Q 繰り返しのワクチン接種が免疫機能を破壊する?

 第6回 免疫細胞を暴走させるもの


 健康を保つための体の仕組みには、一つの法則があります。たとえば血圧をほどよく保つため、血管を収縮させる物質と拡張させる物質が互いに絶妙なバランスを保ちながら作用しています。ウイルスに感染したときも、炎症を起こして外敵を破壊する物質と、炎症を抑えて体を癒す物質とが、互いに協力しながら働いています。

病気が重くなるのは、そんなバランスが崩れたときです。免疫システムにも同じ法則が働いているのですが、今回は、その仕組みがワクチン接種で破たんしてしまったかもしれない、というお話です。

ヒトの細胞やたんぱく質の表面には、「糖鎖」と呼ばれるうぶ毛のような構造物が生えていて、海藻のようにゆらゆら揺れています。あまりに小さくて顕微鏡でも見ることができないのですが、特殊な分析法を駆使すると、その形を調べることができます。次のイラストは、悪玉コレステロールを運ぶ脂質微粒子(LDL)で、私が発見した数種類の糖鎖の形です(1)。

     

ワクチンを接種すると、さまざまな細胞の中でメッセンジャーRNAの情報をもとに、トゲトゲ蛋白が組み立てられます。これは細胞にとって異物であり、危険なものかもしれませんから、免疫システムが直ちに働き出します。

まず細胞内の免疫物質が異物の破片を見つけ出し、細胞の表面に露出させます。それを見つけた血液中の免疫細胞(T細胞)は、異物の情報を受け取りますが、同時に、正当な相手なのかどうかの確認が行われます。各細胞の表面には、いわば身分証明書のような枠割を果たすたんぱく質があるのです。

間違いのないことが確認されると、T細胞が受け取った情報は、抗体を作る細胞(B細胞; 以下の動画参照)に伝えられるようになっています。

このとき、間違って自分自身の体に対する抗体が作られたりすると、自己免疫病になってしまいます。また少し変な抗体ができてしまうと、アレルギー反応や抗体依存性免疫増強(ADE; Q9(3)参照)の原因になりかねません。

そこで、ブレーキの役割を担っているのが糖鎖です(2,3,4)。糖鎖の先端に、「シアル酸」という、非常に強いマイナスの電気を帯びた物質がついているものがあり、近づいてくるたんぱく質をはねつけるようになっています。シアル酸がついている糖鎖は、ゆらゆら揺れながら、ほどほどにブレーキをかける役割を果たしている、というわけです。

さて、ここからが重要です。新型コロナワクチンによって作られる「トゲトゲ蛋白」に重大な問題のあることが判明しました。
トゲトゲ蛋白が、実はシアル酸を切断する酵素と同じ形をしていたのです(5)。

トゲトゲ蛋白のせいでシアル酸が突然、なくなってしまうと、抗体を作る仕組みにブレーキが利かなくなり、暴走が始まります。その結果、起こるのが自己免疫病でありADEなのです。

以下の動画は、ここまで述べた、ややこしい物語をまとめたものです。




【脚注】
B細胞とT細胞: 両者は同じ細胞から分かれたもので、前者は骨髄で発育していくことから、骨髄を表わす英語(Bone marrow)の頭文字で命名された。後者は、胸腺(Thymus; 胸の奥にある)で成長することから、その頭文字。両者は、さらに、それぞれ異なる機能を持つ細胞群に枝分かれしていき、互いに信号のやり取りをしながら免疫システムの中核を担うようになる。

シアル酸切断酵素: ヒトのゲノム中にも、この遺伝子が確認されているが、詳細は不明。実験では、細菌の遺伝子から人工合成されたものが使用される。私が実験で用いるときは、危険な物質との認識からマスク、手袋などを2重に着けていた。

【参考文献】
1) Okada M, Sugar chain structure of apolipoprotein B-100 and its role in oxidation. bioRxiv, May 31, 2022.
2) Bagriacik EU, et al., Cell surface sialic acid and the regulation of immune cell interactions: the neuraminidase effect reconsdered. Glycobiology. 9(3): 267-275. 1999.
3) Seneff S, et al., Worse than the disease? reviewing some possible unintended consequences of the mRNA vaccines against COVID-19. IJVTPR, May 10, 2021.
4) Edgar LJ, et al., Sialic acid ligands of CD28 suppress costimulation of T cells. ACS Cent Sci, Aug 23, 2021.
5) Zhang XW, et al., The 3D structure analysis of SARS-CoV S1 protein reveals a link to influenza virus neuraminidase and implications for drug and antibody discovery. J Mol Struct, 681: 137-141, 2004.




(2023.1.23)
Q 繰り返しのワクチン接種が免疫機能を破壊する?

 第5回 ワクチンを打つと悪性腫瘍になる


 「悪性腫瘍を患っている知人がワクチンを打ったら、急に悪化した
!!」。当ホームページには、こんな内容のお便りがよく届きます。新型コロナのワクチンに遺伝子が使われていることを知り、自分の体に組込まれて、がんになったりしないのかと心配する人も少なくありません(悪性腫瘍は狭義の癌以外にも命にかかわる増殖性の病気を含む言葉。以下「がん」と記す)。今回のテーマは、ワクチンとがんの問題です。

もし新型コロナワクチンでがんになるとすれば、以下のようなメカニズムが考えられます

1.メッセンジャーRNA(mRNA)がDNAに逆変換されて自分のゲノム
  に組み込まれ、がん遺伝子を傷つける
2.インターフェロン(第1回で紹介)が抑制されて、免疫力が低下し、
  発がんの抑制が効かなくなる
3.G4構造(第2回で紹介)のせいで異常物質が発生し、がん化が
  促進される
4.DNAのコピーミスを自動的に修復する酵素が、トゲトゲ蛋白によって
  破壊されてしまう

まずmRNAがDNAに
逆変換されるのかどうかです。この点は、当ホームページのQ11(4)で報告したように、動物実験で実際に起こることが確認されています。DNAに逆変換されると、自分のゲノム(遺伝子の全体のこと)のどこかに組込まれる可能性が高まります。実際に組込まれたことを示すデータは、まだありませんが、そのメカニズムを考慮すれば、すでに誰かの体内で組込みが起こっていると推測されます。

次に、健康の守護神のような
インターフェロンが抑制されて、がんになるかどうかです。この物質を巡る体の仕組みは非常に複雑ですから、かりに、そのようなことが起こっているとしても、その証明は難しいでしょう。

3つ目は、人工のmRNAに含まれる
G4という立体構造が、何か「異常なたんぱく質」を作っていないか、そしてその中に発がんに関わる物質が含まれたりしていないのか、ということです。ヒトの血液には、無数ともいえる種類のたんぱく質が流れていますので、存在を証明するのも、やはり容易なことではありません。

4つ目の点は大いに気になるところです。スウェーデンの研究者の報告によれば、遺伝子の
コピーミスを修復する酵素の働きを、トゲトゲ蛋白が止めてしまうということでした(1)。細胞のがん化はDNAのコピーミスによって起こるものですから、もし自動修復がなされなければ、がん化した細胞が見逃され、どんどん増殖していってしまうことになります。

この論文は注目を大いに集め、2つのエピソードが続きました。ひとつは、科学専門誌「サイエンス」が、読者からの問い合わせに対するコメントを掲載したことです(2)。内容は「実際に起こる確率は低い」、「mRNAはすぐ分解されるので、起こったとしても一時的」というものでした。もう一つは、実験方法に不備があるとの非難が殺到し、7か月後、投稿者自らが論文の取り下げを申し出る、という異常事態に発展したことです。

しかし、理論的にはありうるメカニズムであり、(サイエンス誌のコメンテーターの理解と異なり)ワクチン中のmRNAは4ヵ月以上体内に残りますから、可能性の一つとして記憶に留めておく必要があります。

ワクチンとがんの問題を取り上げた研究で多いのは、すでに悪性腫瘍を患って治療中の人たちが、新型コロナワクチンを打っても大丈夫なのかを調べたものです。最近は、古典的な抗がん剤(化学療法剤)は使われなくなり、分子標的療法・免疫療法が主流で、とくにPD-1阻害薬と呼ばれる薬を使っている人たちが対象となっています。

治療中にワクチンを接種した人たちと、しなかった人たちを比べたところ、治療効果に差はなかったと結論した研究発表もありますが(3,4)、ワクチン接種後に炎症や発熱などを起こす危険な物質(IL-2、IL-6など)が異常に分泌されるという点でデータは一致しています(5,6)。

特記すべきは、ワクチンと免疫療法剤の両者によって活性化された免疫細胞(B細胞やT細胞)が、がん細胞の塊りを刺激し、増殖させてしまうとの研究報告があったことです(7)。説得力があり、無視できない内容となっています。

やはり気になるのは、ワクチン接種によって新たながんが発生したりしないか、ということです。がんは潜伏期が非常に長い病気です。以下の図は「胃がん」の場合ですが(8)、真相を知るには、これだけの年月をかけた追跡調査が必要だということになります。

  
一方、「ワクチンでがんになる」は全部フェイクニュースだと言ってはばからない論文もあります(9)。70年も前から言われている反ワクチン派定番の主張なのだそうで、当ホームページでも紹介した論文をいくつか取り上げ、「素人が書いているようだ」などと決めつけています。反対派に反対する人たちは、とかく過激でヒステリックなのは世の常です。

「ワクチンとがん」の関係は証明が難しく、現時点で結論を出すことができません。しかし、さまざまな研究データや主張を冷静に評価すれば、因果関係を否定することはできず、生命にかかわる重大問題として注視していく必要があるでしょう。

【参考文献】
1) Jiang, et al., SARS-CoV-2 spike impairs DNA damage repair and inhibits V(D)J recombination in vitro. Visuses, Oct 13, 2021. その後、撤回
2) Lowe D, Coronavirus vaccines and cancer. Science, Nov 19, 2021.
3) Walle T, et al., Cytokine release syndrome-like serum responses after COVID-19 vaccination are frequent and clinically inapparent under cancer immunotherapy. Nat Cancer, Sep, 2022.
4) Mei A, et al., Impact of COVID-19 vaccination on the use of PD-1 inhibitor in treating patients with cancer: a real-world study. BMJ, 10: e004157, 2022
5) Au L,, et al., Cytokine release syndrome in a patient with colorectal cancer after vaccination with BNT162b. Nat Med, Aug, 2021
6) Sumi T, et al., Cytokine release syndrome in a patient with non-small cell lung cancer on ipilimumub and nivolumab maintenance therapy after vaccination with the mRNA-1273 vaccine: a case report. Transl Lung Cancer Res 11(9): 1973-1976, 2022.
7) Brest P, et al., COVID-19 vaccination and cancer immunotherapy: should they stick together? Br J Cancer, Nov 19, 2021.
8) 藤田哲也, 癌の自然歴, 現代病理学大系9c, p. 225-243, 中山書店, 1984.
9) Gorski D, Do COVID-19 vaccines cause "turbo cancer"? Science-Based Medicine, Dec 19, 2022.



(2023.1.16)
Q 繰り返しのワクチン接種が免疫機能を破壊する?

 第4回 mRNAを包む膜に毒性あり


 「ファイザー社のワクチンを動物に打ったところ、全部死んだらしい」。これは、反ワクチン派が投稿した代表的なフェイクニュースとされています。世界中に広まっていて、信じている人も少なくありません。この話題は、有名な科学専門誌も取りあげ、事実無根であり馬鹿げたニュースに騙されないように、とのコメントをわざわざ載せたほどでした。今回のテーマは、これが実は本当だったかもしれない、という話題です。

新型コロナワクチンの主成分であるメッセンジャーRNA(mRNA)は、脂質の膜に包まれた超微小な粒子となっています。「脂質微粒子」と呼ばれていますが、膜で包む理由は主に2つあります。ひとつは、mRNAが血液中を流れて行く途中で壊れないようにするため、もうひとつは、ヒトの細胞膜と融合して内側に入り込みやすくするためです。以下の図はそのイラストです。

  

このような膜は、ヒトの細胞膜や、コレステロール・中性脂肪などを包んでいる膜ともよく似ています。わかりやすいのは牛乳です。牛乳が白く見えるのは、水に溶けにくい乳脂肪が天然の脂質膜に包まれた無数の微粒子になっていて、さまざまな波長の光を乱反射させているからです。

新型コロナワクチン使われている膜は、次の4つの成分からなっているとされます。
 1 中性のリン脂質→外側が水になじみ、内側が水をはじく
 2 コレステロール→ 微粒子の大きさを調整
 3 ポリエチレングリコール(PEG)→ 微粒子どうしがくっつかないように
 4 プラスの電気を帯びた脂質→ mRNAを抱え込む

米国の研究者が、脂質微粒子に対する反応をマウスで調べるという実験を行っています。mRNAを含まない、脂質微粒子の膜だけをマウスの鼻粘膜に与えて、反応を調べました。その結果、肺に激しい反応が起こり、すべてのマウスが死んだのだそうです(ただし人間に使うより多めの量でした)。このデータに尾ひれがついて、冒頭に述べたニュースになってしまったようです。

このとき、マウスを解剖して調べたところ、肺に激しい変化が起こっていて、白血球など「炎症細胞」が多数集まっていましたが、「免疫細胞」はむしろ減少していることがわかりました。脂質微粒子がもたらすのは、アレルギー反応ではなく、激しい炎症だったのです。

次に、脂質微粒子を含んだ溶液と、含まない溶液(プラセボ)を用意し、それぞれマウスの皮下に注射したところ、前者で激しい発赤と腫脹が認められました。さらに、4つの成分のうち「
プラスの電気を帯びた脂質」を除いて脂質微粒子を合成し、同じ実験を行ったところ、皮膚の炎症はまったく起こりませんでした。

脂質微粒子の膜には、強い毒性を発揮する物質が含まれていたことになります。このような動物実験は、ほかにも多数行われていて、mRNAではなく脂質微粒子の膜そのものが毒性を発揮している、との結果で一致しています。

日本で新型コロナワクチンの最初の接種が医療関係者を中心に始まったころのことです。接種を受けた医師たちが、テレビのインタビューで「腕が腫れ、熱が出たが、免疫で体が守られている気がした」と口々に語っていました。

実際は、免疫で守られていたのはでなく、危険な炎症が起こっていたのです。

この、あまりに微小な毒素は、免疫システムの監視網をすり抜けてしまうため、アレルギー反応も自己免疫病も起こしません。

ワクチン接種の直後から2日以内に亡くなった方が大勢います。原因は、世間で言われているようなアナフィラキシー・ショックではなく、毒物による急性中毒だったと考えると、死に至る不可解な経緯など、すべての辻褄が合います。たとえて言えば青酸カリやフグ毒のようなものです(生体反応は異なる)。そのため、アナフィラキシーの特効薬とされるアドレナリン(商品名エピペン、ボスミンなど)を使っても命を救えなかったのです。

【参考文献】
1) Lowe D, Omicron boosters and original antigenic sin. Science, Feb 7, 2022.
2) Pate S, et al., Naturally-occuring cholesterol analogues in lipid nanoparticles induce polymorphic shape and enhace intracellular delivery of mRNA. Nat Commun, Feb 20, 2020.
3) Ndeupen S, et al., The mRNA-LNP platform's lipid nanoparticle component used in preclinical vaccine studies is highly inflammatory. iScience, Dec 17, 2021.
4) Schoenmaker L, et al., mRNA-lipid nanoparticle COVID-19 vaccines: structure and stability. Int J Pharm, Apr 9, 2021.
5) Sneff S, et al., Innate immune suppression by SARS-CoV-2 mRNA vaccinations: the role of G-quadruplexes, exosomes, and MicroRNAs. Food Chem Toxicol, April 15, 2022.



(2023.1.9)
Q 繰り返しのワクチン接種が免疫機能を破壊する?

 第3回 敗者は抹殺せよ! (抗原原罪説の真実)


 新型インフルエンザ(H1N1)と呼ばれた感染症が、2009年に大流行したのをご記憶でしょうか。そのとき、1957年生まれの人たち(52歳)を中心に、感染して死亡した人の割合が異常に高くなっていました(文献1)。この人たちが生まれた1957年は、新型インフルエンザとは別のタイプのインフルエンザ(H2N2)が流行した年でした。

H○N○はインフルエンザウイルスの変異を表わす記号ですが、2つの異なる時代に流行したウイルスの間には、互いによく似てはいるものの、少しだけ違うという特徴がありました(文献2)。

インフルエンザに罹ったことがある人は、免疫がついて、あとで再び感染しても軽くすむはずです。しかし「むしろ致死率が高まった」という、この不思議な逆転現象は、インフルエンザ以外の感染症でも昔から認められていて、一部の免疫学者は、とくにワクチンを作る際に気をつけなければならないと、警告を発していました(文献3)。

コロナ禍の時代となり、研究も進み、その理由が徐々にわかってきました(文献4,5,6)。

ウイルスに対抗する抗体を作る役割を果たしているのが、「B細胞」と呼ばれる免疫細胞です。以下、その仕組みを図解します。

 

 

抗原と抗体との闘いは、1対1のピンポイントでなければなりません。抗体が手当たりしだい暴れてしまっては、健康な細胞まで傷ついてしまうからです。
この選抜の記録は、別の免疫細胞によって、ずっとあとまで保存されます

実は、この大切な機能が、免疫システムの最大の弱点でもありました。

ウイルスに最初に感染すると、その記録が免疫細胞に残されますが、あとで少しだけ形の異なるウイルス(変異株)に感染した際、「少しだけ違うこと」を理由に、その抗体を作るB細胞が、過去の記録に従って抹殺されてしまうのです。冒頭に述べた、インフルエンザのH1N1株とH2N2株の関係が、まさにその実例でした。

いま最大の懸念は、新型コロナワクチンで同じことが起こっているのではないか、ということです。ワクチンによって体内の免疫システムに記憶された「抹殺の記録」に従って、少しだけ変異したウイルス(たとえばオミクロン株)に感染すると、その抗体を作るB細胞が破壊されてしまう危険性があるのです。

新型コロナワクチンとの関係を調べた研究も、すでに行われています。「コロナワクチンで、そんなことは起こっていない」と結論した研究もあるのですが、対象人数が極端に少なく、存在を否定したことにはなっていないようです。一方、「すでに起こっている」と結論した研究はいくつかあり、いずれも科学的な方法論に従ったものとなっています。ただし、直接的な証明にはまだ至っていません(文献7,8)。

この「敗者は抹殺せよ」理論は、
ワクチンを受けた人ほど感染しやすいという事実を説明する上で説得力があり、記憶に留めておく必要があります。正確なメカニズムはまだ不明のため、研究の進展があれば直ちに当ホームページで取り上げるつもりです。

【脚注】
 この概念は、60年以上も前の1960年に提唱され、original antigen sin(諸悪の根源は抗原にあり)と名づけられた。聖書からとった言葉であるが、メカニズムがあきらかになってきた現在、現象を正しく表していないと考え、あえて当記事では用いていない。

【参考文献】
1) Gagnon A, et al., Pandemic paradox: early life H2N2 pandemic influenza infection enhanced susceptibility to death during 2009 H1N1 pandemic. mBio, Jan 16, 2018.
2) Cobey S, et al., Poor immunogenicity, not vaccine strain egg adaptation, may explain the low H3N2 influenza vaccine effectiveness in 2012-2013. Clin Infect Dis, Feb 20, 2018.
3) Zhang A, et al., Original antigenic sin: how first exposure shapes lifelong anti-influenza virus immune responses. J Immunol, Jan 15, 2019.
4) Brown E, et al., Original antigenic sin: the downside of immunological memory and implications for COVID-19. mSphere, Mar 10, 2021.
5) Christopher T, et al., What are the primary limitations in B-cell affinity maturation, and how much affinity maturation can we drive with vaccine? Cold Spring Harb Perspect Biol, Jun 19, 2017.
6) Azuma H, et al., Vaccination with the Omicron spike RBD boosts broadly neutralizing antibody levels and confers sustained protection even after acquiring immunity to the original antigen. Int Immunol, Nov 22, 2022.
7) Reynolds, et al., Immune boosting by B.1.1.529 (Omicron) depends on previous SARS-CoV-2 exposure. Science, Jul 15, 2022.
8) Park Y-J, et al., Imprinting antibody responses against SARS-CoV-2 Omicron sublineages. Science, Nov 11, 2022.



(2023.1.2)
Q 繰り返しのワクチン接種が免疫機能を破壊する?

 第2回 改造メッセンジャーRNAに毒性あり


 今回は、ワクチンの主成分である「メッセンジャーRNA」の作り方に、重大なリスクが潜んでいる事実が見逃されていた、というお話です。

「ワクチンのメッセンジャーRNA」は、新型コロナウイルスの体の一部である「トゲトゲ蛋白」だけを再生する遺伝情報を、試験管内で人工的に組み立てたものです。これだけであれば誰でも作ることができ、今ならネットで注文すればできてしまいます。

問題は、その先です。このまま注射で体内に入れると、ヒトの免疫システムによって異物とみなされ、即座に破壊されてしまうのです。「これを避けるためには人工のメッセンジャーRNAをどう改造すればよいのか」・・・、それが大学の研究者や製薬企業の技術者たちの長年の課題でした。

30年ほどの奮闘の歴史を経て、改造の技術は一応、完成したとされています。だからこそ新型コロナワクチンは製品化されているわけです。その概要は、当ホームページの先頭に表示してある『改造メッセンジャーRNAの専門的・・・』で解説してあります。

さて、その改造の裏側に潜んでいた重大リスクとは、いったい如何なるものだったのでしょうか?

RNAの遺伝情報はアデニン、グアニン、シトシン、ウラシルと名づけられた4種類の物質で表現され、それぞれ記号でA、G、C、Uと表記されます。ワクチンのメッセンジャーRNAは、改造された部分を中心に、GとCの占める割合が本物のウイルスのそれに比べて異常に高かったのです。

以下は、全遺伝情報(A+G+C+U)中に占めるG+Cの割合です。

 新型コロナウイルスのmRNA → 36%
 ファイザー社ワクチンのmRNA→ 53%
 モデルナ社ワクチンのmRNA → 61%

とくにGの割合が高いほど、メッセンジャーRNAは、一本のヒモがよじれて次の図のような立体構造をとってしまうことが多くなります。
4つのグアニン(G)が四角形に並び、それが積み重なって、ちょうど立体駐車場のような形です。その様子から「G4」と呼ばれるようになりました。

   

G4ができてしまうと、細胞内の蛋白再生工場は、メッセンジャーRNAのコードを解読するスタート点を間違えてしまい、おかしなたんぱく質を合成してしまいます。

もうひとつ、重大な発見がありました。トゲトゲ蛋白の遺伝コードの一部が、「プリオン」と呼ばれる危険なたんぱく質にそっくりだったのです。プリオンという言葉に聞き覚えはないでしょうか。・・・そうです、かつて大騒ぎのニュースになった「狂牛病」の原因がプリオンでした。

諸々の悪条件が重なり、神経を損傷させるたんぱく質や、発がんを促進するたんぱく質、そして免疫機能を止めてしまうようなたんぱく質がさまざま作られ、エクソソーム(第1回で紹介)となり別の細胞に運ばれ、神経難病、認知症、がんなどを促進し、さらに免疫機構の破壊も引き起こしているのではないか、と考えられるのです。

現時点では、あくまで仮説です。しかし、ワクチンを接種したあとに悪性リンパ腫が悪化し、PET/CTで検査したところ病巣が5.3倍にも広がっていた患者がいる、との論文発表もあります(以下の参考文献5をクリックすると実際の画像を見ることができる)。

DNAやRNAに認められるG4構造は、人類にとって病気の原因となる危険な存在です。そのため、悠久の時間の流れの中で徐々になくなっていくよう、遺伝子の組み換えがなされてきたと考えられています。コロナワクチンは、その自然の摂理を台無しにしてしまったようです。


【追記】
 悪性リンパ腫の事例を報じた論文の最後に、「この患者は、実は論文を書いた本人である」とショッキングなことが記されていました。それに併記する形で、「この患者にとっては悲劇であったが、ワクチンは多くの人々にとって有益」ともありました。最後の一文は、編集長からの指示だったでしょう。書かなければ論文は受理されなかったのです。ワクチン禍の根の深さが思いやられます。

【参考文献】
1) Cammas A, et al., RNA G-quadruplexes: emerging mechanisms in disease. Nucleic Acid Res, Jan 12, 2017.
2) Herdy B, et al., Analysis of NRAS RNA G-quadruplex binding proteins reveals DDX3X as a novel interactor of cellular G-quadruplex containing transcripts. Nucleai Acid Rea, Sep 26, 2018.
3) Wang E, et al., G-quadruplexes as pathogenic drivers in neurodegenative disorders. Nucleic Acid Res, Mar 30, 2021.
4) Tetz G, et al., SARS-CoV-2 prion-like domains in spike proteins enable higher affinity to ACE2. www.preprints.org, Mar 29, 2020.
5) Goldman S, et al., Rapid progression of angioimmunoblastic T cell lymphoma following BNT162b2 mRNA vaccine booster shot: a case report. Front Med, Nov 25, 2021. (クリックすると見ることができる)
6) Roltgen K, Immune imprinting, breadth of variant recognition, and germinal center response in human SARS-CoV-2 infaction and vaccination. Cell, Mar 17, 2022.
7) Asamitsu S, et al., CGG repeat RNS G-quadruplexes interact with FMRpolyG to cause neuronal dysfunction in fragile X-related tremor/ataxia syndrome. Sci Adv, Jan 13, 2021.




(2022.12.26)
Q 繰り返しのワクチン接種が免疫機能を破壊する?

 第1回 神様からの贈り物を汚すもの


 2021年2月19日、私は『コロナワクチンの仕組みとその問題点』と題する動画をユーチューブに投稿しましたが、その最後に「コロナワクチンの接種を勧めるのは犯罪行為!」と断じました。

その後、確証を求めて当ホームページの更新を続けるうち、「新型コロナのワクチンは免疫機能を破壊している」との情報が増えていることに気づきました。「こんな論文を見つけた!」とのお便りも届くようになりました。

もしかしたら、新型コロナワクチンの犯罪性を決定づける話になるかもしれません。当ホームページでは、「ワクチン接種率が高い国や地域ほど新規感染者が多い」という事実も報告してきましたが、その理由になっている可能性があるのです。

そこで、コロナ禍ならぬ、「ワクチン禍」に終止符を打つ意気込みで、今回から5回か6回、あるいはそれ以上にわたり最新情報をまとめていくことにしました。ただし先の展開は不透明です。途中でギブアップするかもしれませんが、「結末が決まっていない連続小説」としてお読みいただければ幸いです。

すでに報告したように、細胞内に取り込まれたワクチン中のメッセンジャーRNAや、細胞内で再生されたトゲトゲ蛋白は、次の動画のように処理されます。
  

以上の基礎知識を前提に、「ある物質」の話から物語を始めることにします。

「インターフェロン」という言葉を、どこかで聞いたことがあるもしれません。「インフルエンザに感染した際に分泌され、あとから侵入してくるウイルスをブロックする物質」として発見されたものです。65年ほど前のことです。「妨げる」という意味の英語(インターフェア)から命名されました。

その後、研究も進み、同類が数十種類もあり、多彩な働きをしていることがわかってきました。中でも大切なのは、「ウイルスの増殖を抑える」、「抗体の産生を促す」、「がん細胞を抑え込む」という3つの働きです。その期待から、これまでウイルス性肝炎や腎臓がんの治療に使われてきました(ただし副作用と効果への疑問から、最近はほとんど使われていない)。

実際にコロナに感染した人の体内では、このインターフェロンが急増します。ウイルスと戦うための物質ですから、当然のことです。ところが、なぜか新型コロナワクチンを打った人では、
インターフェロンがむしろ低下してしまうことがわかったのです。これが、シリーズ第1回目のポイントです。

インターフェロンがなくなると、まず困るのは「細胞内の異物を見つけ、表面に提示する役目の免疫物質」が働かなくなってしまうことです。もしそうなら、抗体を作ることができなくなってしまいます。また、ウイルスの増殖を抑える仕組みが働かなくなり、自分と敵を区別することができなくなり、さらに細菌感染症も起きやすくなります。

新型コロナワクチンの副作用として、自己免疫病を発症したり、急性腎盂腎炎や蜂窩織炎などの細菌感染症が激増したり、あるいは帯状疱疹などのウイルス病も増えたりすることを当ホームページで報告してきましたが、その理由がこれで説明できそうです。

インターフェロンが低下すると発がんが促進されることも、すでに多くの研究でわかっていました。

では、なぜワクチンが問題なのか? それは、新型コロナワクチンの主成分であるメッセンジャーRNAには、ヒトの体内で異物として破壊されないよう、さまざまな修飾がなされているからです。

そのことが裏目に出てしまい、ワクチンが異物と判断されず、神様の贈り物ともいえるインターフェロンが働かなくなってしまうのです。単に働かないだけでなく、分泌量が普段より減少してしまうのですが、その理由については研究の進展を待ちたいと思います。

インターフェロンのお話はこれで終わりです。次回は、別の視点から物語を進めていくことにします。

【脚注】
 インターフェロンの挙動は非常に複雑です。物語に登場する物質をすべてメモに書き出し、それを見ながら簡潔にまとめたものが本文です。そのメモをどうしても見たいという方は、ここをクリックしてください。頭痛がするだけですので、お勧めはしません。メモを表示したら、画面左上の「←印」をクリックすると、この画面に戻ることができます。いずれ、裁判の証拠として使えるよう整理・清書するつもりです。


【参考文献】
1) Kampf G, The epidemiological relevance of the COVID-19-vaccinated population is increasing.The Lancet Regional Health - Europe, Nov 20, 2021.
2) Shitrit P, et al., Nosocomial outbreak caused by the SARS-CoV-2 delta variant in a highly vaccinated population, Israel, July 2021. Euro Surveill, Sep 30, 2021.
3) Brosh-Nissimov T, et al., BNT162b2 vaccine breakthrough: clinical chracteristics of 152 fully vaccinated hospitalized COVID-19 patients in Israel. Clin Microbiol Infect, Jul 7, 2021.
4) Seneff S,et al., Innate immmune suppression by SARS-CoV-2 mRNA vaccinations: the role of G-quadruplexes, exosomes, and microRNAs. Food Chem Toxicol, April 15, 2022.
5) Cammas A, et al., RNA G-quadruplexes: emerging mechanisms in disease. Nucleic Acid Res, Jan 12, 2017.
6) Herdy B, et al., Analysis of NRAS RNA G-quadruplex binding proteins reveals DDX3X as a novel interactor of cellular G-quadruplex containing transcripts. Nucleai Acid Rea, Sep 26, 2018
7) Liu J, et al., Comprehensive investigations revealed consistent pathophysiological alterations after vaccination with COVID-19 vaccines. Cell Discov, 7, 99, 2021.





                
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